遊びを学びにつなげるプログラミング プログラミングワークショップin東北での実践

プログラミングワークショップin東北とは?

2012年の夏から2013年の冬まで、私たちCANVASは「OtOMO」の皆さんと協動しながら、宮城県の小学校や公民館などを中心に約30回のプログラミングワークショップを開催しました。ワークショップでは、ゲームで「遊ぶ」ことから「つくる」ことにチャレンジ。キャラクターを自由自在に動かしたり、ゲームのデザインを考えたり、自分だけのゲームづくりを行いました。

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プロジェクトを進めていた約半年の間には、宮城県の小学校の先生方をはじめ、様々な教育機関屋や教育関連団体、NPOなどのたくさんの皆様にご協力、ご尽力をいただきました。

コンピューターはなんにでもなれる不思議な箱

インターネットやパソコンの普及により、誰もが創造・表現・発信のできる環境が世界中に整いつつあります。このプロジェクトでは、そのようなデジタル時代に即したワークショップを展開し、子どもたちが自分のアイデア、ひらめき、考えを形にしていくことを応援したいという思いでワークショップを開催しました。

プログラミングワークショップin東北では、プログラミング言語「スクラッチ」を活用。スクラッチは、アメリカのマサチューセッツ工科大学メディアラボライフロングキンダーガーデングループで開発された子ども用プログラミング言語です。キーボードからの文字入力を行うことなく、マウス操作でブロックをつなぐことで積み木のようにプログラミングをすることができます。ゲームだけではなく、アニメーションやインタラクティブアートなど様々な作品をつくることができます。

こどもたちのさまざまな遊びを学びにつなげるプログラミング

ライフロングキンダーガーデングループでは、長年にわたる発達心理学の研究を通して、子どもたちが人から教えられるのではなくものづくりを通して自ら学んでいること(構成主義)に注目し、えr語ブロックなどを使ったロボット教材なども開発しています。

こどもたちが真剣に課題に取り組むのは、自分にとって意味のある活動をしているときです。ゲームで遊ぶことは楽しいですが、それを自分でつくれるようになればもっと楽しいはずです。ただし、それができるようになるには、ただ受け身で待っているだけではなく、自ら努力しなければなりません。
 ゲームづくりには算数の計算や図形の性質の理解、国語の文章読解や作文、図工や音楽の創造性など様々な能力が必要ですが、自分がやりたいことを実現するための手段として意味付けられれば、すすんで学ぶようになるはずです。

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このプロジェクトでも、このように「自ら学ぶことを学ぶ」ことを経験し、ゲームづくりに限らず、世の中の様々なことについても、学ぶことでより面白くなることに気付くことを子どもたちに感じて欲しいという思いでワークショップを開催しました。Scratch(スクラッチ)やプログラミングはそのための道具に過ぎません。

東北での活動を通して

宮城県内の各地を回っている中で、やはり最初は「プログラミング」というと難しい印象をもたれることが多いのですが、実際にゲームづくりを体験した子どもたちは、目を輝かせながら自分だけのゲームづくりにチャレンジしていました。最初はおそるおそるの参加ながらも、次第に「キャラクターをこうしたい!」「音楽をつけたい!」「ゲームオーバーを工夫したい!」「スコアをつけたい!」等、自分で工夫したいという気持ちがわいてくるようです。休憩時間になっても、こどもたちは席を立たずに夢中になっており、無理やりパソコンを閉じてもらうことも多々ありました。

誰かからやらされるのではなく、自分たちのやりたい、という気持ちから創意工夫が生まれていく様子に、学校の先生方や保護者の方々からも驚かれることがありました。自分で工夫すると他の友達の工夫したポイントがわかるようで、よく参加者のこどもたち同士で遊びあってコメントしあっている様子もほほえましいものがあります。
 将来プログラマーになりたい!というこどもたちが何人もいました。彼・彼女たちが夢に近づくお手伝いができたらと思います。一方で、アイディアを形にしていくこと、そしてそれを発信していくことは、どの職業においても求められるスキルだと思います。プログラミング・ゲームづくりに関わらず、こどもたちにはさまざまなことにチャレンジしてもらいたいものです。プログラミングワークショップがそのチャレンジを育む成功体験の1つになることができればと願っています。